愛知県東谷山の神社

尾張戸神社(おわりべじんじゃ)は名古屋市と瀬戸市にまたがる、標高198mの東谷山(とうごくさん)山頂の文化庁史跡東谷山古墳に鎮座します。

                                   

「延喜式」に山田郡尾張戸神社とあり、成務五年(西暦135年)、宮簀媛命(みやすひめのみこと)の勧請と伝えられています。千年以上前の事になります。

 

また、延長5年(西暦927年)に選進された「延喜式神祇巻」に公式の記録が載っております。

 

つまり、尾張戸神社は延喜式内神社で近隣でも稀な古社であります。

 

また、約800年前文治二年(西暦1186年)の「尾張国内神名帖」によれば、従3位の神階に列せられた大社でありまして、広く衆人から東谷大明神と称えられ篤く崇敬されました。

 


御祭神(五柱)

御勧請は熱田神宮ご創建によってご功績の高い尾張国造宮簀媛命(おわりくにのみやつこみやすひめのみこと)で、祭神建稲種命(たけいなだねのみこと)の御妹に当たられ、日本武尊命(やまとたけるのみこと)のお妃となられました。

 

祭神は三神でありまして記紀の伝承にも明らかな尾張氏の祖神であり、尾張戸神社の由緒は確かなものであります。この地方が尾張氏の本貫の地とせられ。世俗で「東谷山は熱田の奥の院」と言い伝えられてきました。

 

当社では三柱のご神徳に因り【厄除開運】【交通安全】【商売繁盛】【家内安全】の霊験あらたかである。

 

◎天火明命(あまのほのあかりのみこと)

天火明命は素戔嗚尊(すさのをのみこと)の五男に当たられ、天照国照彦天火明にぎ速日命とも申し上げ、その御名によって命が幾多のご神徳を兼ね具えられたことが拝察されます。

 

命は天磐船で高天原からお降りになりましたが、その時天祖から十種の神宝とその神秘な霊力による医療・禁厭の法を授けられました。

 

そのご神徳によって、当社は古来夏季の流行病、子供の脱腸、その他疫病除けに霊験あらたかな神社として人々の信仰を集めてきました。

 

◎天香語山命(あまのかぐやまのみこと)

天香語山命は天火明命の御長子に当たられます。

 

命は大和国高尾張の村をお立ちになって東谷山対岸の高座山にお降りになりましたが、しばしば東谷山との間を往来され、やがて当国ご開拓の神意によって東谷山にお鎮まりになりました。ご登山に当たって、麓の庄内川をお渡りになる折に、常に1頭の白鹿が現れて、命をお乗せしてお渡ししました。現在その伝承地に架けられた橋を「鹿乗橋」、橋下の淵を「鹿乗ヶ淵」と称しています。

 

命の神意によって開拓されたという「尾張の国」の語源は、奇しくも命の神意のままに「新しく墾り開かれた土地」の意であり、尾張氏の祖神として、国土開発、文化向上の神であります。 

 

◎建稲種命(たけいなだねのみこと)

建稲種命は尾張国造乎止与命の御子で、天火明命から十二世のお孫に当たられます。

 

神名の「建」は日本武尊の御東征に従われておたてになったご勲功を称え、「稲種」は文字通り農業(現在は産業全般)をお勧めになったご神徳称える御名と拝し、産業振興の守護神として篤く崇敬されてきました。

 

◎天道日女命

 

◎乎止與命

中社・南社

中社

◎菊理媛命

 

南社 

◎伊邪那岐命 ◎伊邪那美命

歴史・沿革

中世は乱世が続き、神社の多くは重なる火災や盗難のために荒廃の一途辿りました。当社もその例に漏れず僅かに神社の面影を留めるほどの小社になりました。

その間物情騒然とした時勢に関わらず当社の尊貴な草創に注目した斬波氏(足利氏の流れを汲み、義重の時代に尾張守護となる)が荒廃した社殿を新しく御造営致しました。

 

また、近世には尾張藩祖徳川義直公、並びに第二代藩主徳川光友公が当社を国号を称する尊貴な神社として、更には金城の鬼門の守護神として崇敬せられ、以後はその伝統によって藩費を持って社殿の修復が行われてきました。

 

太平洋戦争以後、名古屋市志段味地区、瀬戸市水野地区の氏子が隔年で当番に当たり尾張戸神社を守ってきました。

尾張戸神社には

◎敷タイル(非公開)

本殿神域に敷き詰められているタイルは、瀬戸市学術員の調査に因れば明治初期から現在に至るまでの27種類を数え、瀬戸の敷タイルの博物館と呼べるそうです。

 

◎常夜灯(南参道) 享保元年(1716年)、享保4年(1719年)

 

◎灯籠(拝殿前)  天保3年(1832年)、嘉永7年(1854年)  

 

◎手水鉢      享保元年(1716年)

 

◎西側展望台(東谷山フルーツパーク様に設置していただきました)

名古屋市高層ビル群、濃尾平野、伊吹山、養老山脈が一望できます。

 

◎東側テラス

瀬戸市街、猿投山、三国山が一望できます。

また、このテラスからの朝日は最高です。特に元旦のご来光の隠れたスポットです。

 

◎バイオトイレ

「えこども」のご協力で設置した。おがくずと微生物菌で完全分解するバイオトイレがあります。

 

◎古墳

尾張戸神社の社(やしろ)は本殿、中社、南社の全てが古墳の上に鎮座しています。

古墳は平成二十六年に文化庁に古墳史跡に指定され、志段味古墳群として名古屋市が整備しています。

志段味古墳群「歴史の里」めぐり、のパンフレットが名古屋市から発行されています。

敷タイル

西側展望台

東側テラス

バイオトイレ


近況

テラスにテーブルとベンチを2セット設置しました。

休憩に昼食にご利用できます。

貴重な松を御寄進頂きました。

天目松(枝垂れ赤松)

 枝が枝垂れ桜の様に垂れ下がり、龍を連想させる松。

 階段を登り切った、狛犬の手前、拝殿に向かって左側に植栽しました。


根上がり松

根が地上にせり上がった松。

金沢の兼六園には地上2メトールもせり上がった有名な松があります。階段を登り切った、狛犬の手前、拝殿に向かって右側に植栽しました。

鉄平石を御寄進頂きました。

鉄平石

安山岩の一種、今回の石は山梨から運ばれました。

一枚の重さが200~300Kgもある大きな鉄平石です。

階段を登り切った所から拝殿前に敷き詰めました。